
す。 先ほどちょっと文化産業の話をしましたが、劇団「四季」などはその典型であろうと思います。札幌で「キャッツ」というミュージカルを380公演いたしましたが、40万人の入館者、観衆が訪れました。その経済波及効果でございますけれども、約70億円の支出がありまして、そのうち道外に、飛行機代とかなんかで流れていったものが5億円。つまり、北海道に落ちたのが65億円ですね。ところが、その65億円を一次誘発総生産額という波及効果で考えると約102億円の効果があった。その102億円がさらにまた二次的な生産誘発効果を生み出してまいりますから、それが大体30億。つまり、132億円の経済効果があったんですね。これを見ますと、やっぱりばかにならないんです。これから目指すアーツマネージメントというものは、そういう方向もまた視野に入れなければならないという時代になっているわけでございます。そういうことも含めて考えてみたいと思うわけでございます。 さらにまた、用語としては、アーツアドミニストレーションという言葉もあります。アドミニストレーションというのは、まさしく管理、行政でございます。文化行政の場合にはアドミニストレーションという言葉を使ってもいいかと思いますけれども、ホールのように「創り人」と「楽しみ人」のちょうど仲立ちの役をするようなところでは、そういうような働きはできるだけ胸に秘めてやるべきではなかろうかというような気もするわけでございます。 さらにまた、プロデューサーという言葉もございます。プロデューサーというのは、映画や演劇などの企画制作責任者のことを言っているわけでございまして、ある公演の演目に対して集中的に責任をとっていくというような方でございます。 さらに、プロモーターという言葉がございます。これは呼び屋さん的な、興行主的な性格を持っております。 いずれにしても、たくさんいろんな言葉がありますが、ある程度その意味を知ってさえいれば、あとは何を使おうといいんじゃないか。要するに、機能としては「創り人」と「楽しみ人」を仲立ちするお世話焼きに徹するということでよろしいんじゃないか、そのような気がしております。そして、そういう役割、機能であれば、ずっと昔からやってきたし、現在もやっているということでございます。ただ、それをどのように今日的な要請にこたえて新しく活性化し、そして新しい質的内容をとりこんで進めていくか。そして、それを地域の文化的活性化につなげていくかということが課題となっているんじゃないか、
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